フィンランド・デザイン展が府中市美術館でスタート


9月9日から府中市美術館で始まったフィンランド・デザイン展にいってきました!今年はフィンランドの独立100周年を記念するイベントが目白押しですが、中でも注目していた展示です。福岡を皮切りに愛知、福井と巡回し、ついに東京へやってきました。

本展では今わたしたちが知るフィンランド・デザインが生まれる前の時代のデザインから、フィンランド・モダンデザインの父、アルヴァ・アールトや、マリメッコのマイヤ・イソラ、イッタラやアラビアのカイ・フランクなど国を代表するデザイナーとプロダクト、そして異才のデザイナーや現代のデザイナーまで、フィンランドデザインの歴史をわかりやすく追うことができます。
展示の中でも印象に残ったのは1900年のパリ万博で展示された建物が映像で再現されていたこと。(アールト大学が現存する資料を使って映像に再現したそうです)。パリ博での展示は、この小さな国にモダンで優れた建築やデザインが息づいていたことを世界に知らしめるきっかけとなり、独立を後押しする力となったそう。ヘルシンキ中央駅の設計で知られる建築家、エリエル・サーリネンが手がけたという動物モチーフを映像で見られたのは感激でしたね。
もうひとつ目を奪われたのはカイ・フランクのテキスタイル!カルティオやキルタ、ティーマシリーズで知られるカイ・フランクがテキスタイルを作っていたとは知らず、初めて見て驚きました。食器のシンプルさとは違った、ファンタジックなデザインが素敵でした。カイ・フランク好きは必見ですよ〜。
他にもフィンランドに自生する白樺を使ってモダンなデザインを実現したアールトの作品を凝縮したようなレリーフや、ポップでユーモアたっぷりのグラフィックデザインを生み出すエリック・ブルーンのポスター原画などが続き、大好きなデザイナーたちのものづくりの現場をのぞいているようでした。現役で活躍しているデザイナーたちへのインタビューが文字起こしされて展示されているのですが、これが密かに面白くて、中でもエーロ・アールニオの人を喰ったような答えが痛快でした。ハッリ・コスキネンやヘイニ・リータフフタのインタビューもあり、それぞれの個性が伺える面白いインタビューでしたよ。
そんなアールニオの代表作、ボールチェアやポニーは美術館入口のロビーにも置いてあって、こちらは自由に座って楽しめます。アールニオの作品はやっぱり子どもたちに人気!他にもアルテックの椅子やムーミンの照明などフィンランド・デザインがロビーに並び、実際に腰掛けてデザインを楽しんでいる方がたくさんいました。


物販コーナーも小さなスペースながら充実していて、北欧デザイン雑貨に書籍、ビンテージの食器もありました。さらに展覧会限定グッズがなかなかの可愛さ。エリック・ブルーンのアザラシやオレンジのスマホケースやチョコレートもありました。エリック・ブルーン好きとしては買わずにはいられません。


アザラシとオレンジのクリアファイル、ザリガニポストカードを購入。展覧会のカタログもいいデザインですよね!
初日夜にはフィンランド大使を招いての開会式も行われました。「緑に囲まれた府中美術館はフィンランドの展示をするのにぴったり」と大使。府中美術館は初めて行ったのですが、大使の言葉通り、森の中にある美術館のようでリフレッシュできる空間でした。
開会式では館長のご挨拶もあったのですが「アールトのパイミオチェアの脚が、獲物を狙うピューマのよう」と表現されていたのが面白かった!目の付け所が違いますね。

開会式の後にはキュレーターの方が展覧会の見どころを簡単にレクチャー。1900年のパリ万博でのフィンランドパビリオンの様子はぜひ映像で見てみてください。いや〜あれは感動した。

府中市美術館での展示は10月22日まで。府中の森で、森と湖の国のデザインに触れてみてくださいね。
フィンランド・デザイン展はこの後、宮城県美術館へ巡回予定です。
そして府中に行かれた際はぜひこちらもお試しを!
本格スウェーデン料理が食べられる、お好み焼き『さかえや』
ヤンソンの誘惑やスウェディッシュミートボールが食べられるお好み焼き屋さんが、府中にあるんです。フィンランドデザインを満喫した後はぜひスウェーデンの味も試してみてくださいね。