リトアニアのクラフトビールが初上陸!夏至祭ヨニネス@リトアニア大使館

北欧各国で盛り上がるクラフトビールブームにつづいて、今年独立100周年を迎えるバルト三国でもクラフトビールが盛り上がり、日本にも徐々に進出しています。そしてこの7月からリトアニアのクラフトビールが日本に初上陸!合わせて「夏至祭”ヨニネス”」と名付けられたお披露目パーティがリトアニア大使館で開催されました。昨年のエストニア料理イベント、先日のラトビア大使館でのイベントにつづいて、リトアニア大使館へ初めて行ってきましたよ〜。

ちなみにヨニネス(Joninės)とはリトアニアの夏至祭のこと。夏至の日が聖ヨハネの日であることからそう呼ばれているとか。

リトアニア国旗とユーロ旗がはためくリトアニア大使館。

中に入ると、百周年の掛け軸が。リトアニアは7月6日に100年目の建国記念日を迎えています。

今回のイベントを主催するj.l.s.tradingは、北欧とバルト三国のクラフト製品を輸入し、日本に紹介しています。スウェーデン人2名と日本人1名の創業メンバーはもともと北欧発のデータプラットフォーム会社Syno Interntional(日本法人はSyno Japan)を運営していて、今回新事業としてj.l.s.を立ち上げたのだそう。リトアニアのビール以外にも、デンマークとエストニアからクラフトビールの輸入をしています。

お披露目パーティの前にプレス発表があり、はじめに駐日リトアニア共和国特命全権大使ゲディミナス・バルブオリス氏から挨拶がありました。「ヨーロッパにはさまざまな国があり国境も複雑です……が、そんなことはどうでもよいのです。ヨーロッパには2種類の人しかいません。ビール派かワイン派か、大事なのはそれだけです。」といきなり面白い挨拶で記者陣を笑わせる大使!

リトアニアはビールの歴史が古く、11世紀頃の書物にすでにその存在が書かれているそう。ビール文化が強く、昔から食事と一緒に楽しまれ、シンプルで質のよい味が受け継がれてきたといいます。自家醸造の歴史も古く、大使の出身地である北リトアニアの村では各農家がビールを作っているとか。小さいけれど歴史ある醸造所が点在するビール街道があるんです!と大使。そして近年のクラフトビールブームで世界に通用するブルワリーも生まれてきているとのこと。「ぜひリトアニアへ来て、ビールの旅をしてみてくださいね!」と挨拶をしめくくられました。

続いて、j.l.s.のヨッケさんからバルト三国のビール市場、トレンドについての説明がありました。バルト三国では近年、北欧に続いてクラフトビールが盛り上がってきて、北欧ほどではないけれどマイクロブルワリーの数が年々増えている。バルト三国の中ではエストニアがブームを先導し、続いてリトアニアで盛り上がっている、などなど。ビールの種類としてはサワーエールやニューイングランドIPAなどが人気だそう。これは北欧も同じで、ここ数年はサワー系が大人気で、先日のスウェーデン取材ではニューイングランドIPAをよく見かけましたね。

ちなみにヨッケさんはスウェーデンのダーラナ出身。リトアニア人のパートナーと現在はリトアニアの首都ビルニュスに暮らし、リトアニアのクラフトビールが飲めるバーも経営しています。先日7月6日の独立記念日には世界中のリトアニア人で同時刻にリトアニア国家を歌おう!プロジェクトが行われたのですがヨッケさんに「歌いました?」と尋ねると「リトアニア語は難しくてまだ無理だよ〜」との答えでした。

今回、初上陸したリトアニアのクラフトビール。マイクロブルワリーのサキーシュキュアラス(Sakiškių alus)とゲニス(Genys Brewing Company)から、6種類のボトルビールと2種類の生ビールを試飲させてもらいました。

生でいただいたサキーシュキュアラスのココナッツミルクスタウト。濃くて甘めの味かと思いきや、口当たりまろやかで適度に酸味もあって食事にもいける味。黒パンとの相性も良いです。

さてお待ちかね、ビールと一緒にリトアニア伝統料理をいただきます。リトアニア出身の料理研究家、ユルガさんによるお料理は見た目も美しい!ビュッフェテーブルの上にはフィンランドでも親しまれている藁を使ったモビールのヒンメリが飾られています。

北欧でもおなじみのライ麦パンのオープンサンド。鴨のスモークとピクルスがのっています。

これまで北欧各国、そしてエストニアの黒パンといろいろ食べてきましたが、これは初めての味!ガーリックをガツンときかせて揚げた黒パンはビールのおつまみにぴったり。ビアガーデンとかで出して欲しい。

そしてリトアニア料理といえばこれ。北欧やバルト諸国で定番の食材、ビーツを使った通称”ピンクスープ”。このピンク色はビーツの天然の色。着色なしです。ロシアのボルシチよりもやさしいピンク色なのはクリーム(もしくはヨーグルト?)がたっぷり入っているから。飲んでみると、きゅうりがたくさん入っていてガスパチョのような味わいです。

キノコソテーをパンのような生地で包んだマッシュルームケーキ。リトアニアは森と湖の国で、人々はキノコ狩りに気軽に出かけて、収穫したキノコは食卓へ。それもまた北欧と似ていますね。このしっとりとした生地が美味しかった!パイ生地でもなく、どっしりとしたパン生地でもなく、しっとりやわらかな薄い生地。北欧ではあまり、この手の生地は食べた記憶がありません。そういえばエストニアの黒パンも北欧とはまた違ってとてもおいしかったし、バルト三国のパン文化は奥深そうで気になりますね。

酢豚!?と思ったら、豚の耳を使ったお料理。コラーゲンたっぷり、ミミガーのコリコリとした食感といい、日本の居酒屋で出てきそうなほっとする味。

フィンランドでも食されるポテトパンケーキ。すりおろしたじゃがいもが生地に入っています。フィンランドでは魚卵と一緒に食べることが多いのですが、リトアニア版は中にひき肉が入っていて、それだけで食べてもおいしい。添えてあったホワイトソースをかけてもおいしい。これおいしい。

豚の耳や足を長時間煮て作るゼリー。そういえばデンマークにもスィルテと呼ばれる似たような料理があったのを思い出しました。食材の無駄を出さずに食べつくす知恵は北欧と通じるものがありますね。

中世から受け継がれているという、ハーブ入りのフレッシュチーズ。チーズというとワインをペアリングしたくなるところですが、これは本当にビールに合う。ビールと食事を楽しむ文化が古くからある、という大使の言葉に納得です。

ぱっと見て本当にサラミかと思ったこちらはじつはチョコレート。口に入れるとふわっと溶ける、やわらかなチョコレートで、確かにスタウト系ビールに合う。甘すぎず、軽い味わいなので、食事の合間につまみやすい。

アルコールが飲めない人のために用意されたのはモルトを発酵させたドリンク。ほのかに炭酸が入っていて、口の中がさっぱりします。

プレス発表の後、一般のお客様も参加してのお披露目パーティとなりました。一般参加用のチケットは、あっという間に売れてしまったそうです。

リトアニア大使館職員のクリュチンスカス氏と、お料理を担当したユルガさんが乾杯の掛け声をかけます。夏至祭の花かんむりを頭にかぶったユルガさん、素敵です。クリュチンスカス氏の胸にもリトアニア国旗のカラーで作ったブートニアが。

ビールの専門家、米澤俊彦氏さんによる各ビールの解説と、北欧やバルト諸国のクラフトビールの特徴についてのお話もありました。アメリカやベルギーのビールに比べて、北欧やバルトのビールは全般的にバランスの良い味わいなんだとか。苦味抑えめな味も多く、従来のビールが苦手という方でもトライしやすい味と。まさに私も北欧のクラフトビールでビール愛に目覚めた一人なので大きくうなずきたいところ。

ちなみに米澤さんの奥に立っているのが、j.l.s.trading創業メンバーの一人、長野さん。今回のイベントの仕掛け人でもあります。

飾ってある花も、気づけばリトアニア国旗のカラーリングなのでした。

リトアニア関連の書籍が置いてある部屋も。リトアニアといえば映画にもなった日本のシンドラーこと、杉原千畝。千畝本がいっぱいある!他にリトアニアに特化したガイドブックや手工芸の本もありました。

もう一つの生ビールは、麦芽に加えてコーンフレークを使ったというコーンラガー。ホップの香りが強く、香ばしくて爽やな口当たりのラガーは夏場にぴったりの味わいです。

リトアニア産チーズもずらり。酪農が盛んなリトアニアはじつはチーズ大国で、輸出も多いんですね。パルメジャーノのような味のハードチーズがおいしかったです!聞けばイタリアとは古くから交流があり、チーズを作る技術がイタリアから入ってきていたそう。

さけるチーズ!ミミガー料理といい、妙に日本人の心をくすぐる味が登場してくるリトアニアです。

ゲニス社のタトゥーラガーと名付けられたシリーズはラベルのデザインが多彩で、ギフトにも良さそうですね。最後におみやげに1本いただいて、大満足で大使館を後にしました。リトアニアのビールと食事、おいしい!エストニアの時も思いましたが『バルト3国のおいしい話』が書けそうです。

j.l.s.tradingが輸入するクラフトビールは渋谷のクラフトビールバー、Haburashiや外苑前の北欧料理レストラン、アクアヴィットで飲めるそう。今後はもっと飲める場所や機会が増えていきそうなのでビール好き、北欧&バルト好きのみなさんは要チェックです。

素晴らしいリトアニア料理でおもてなししてくれたユルガさんは定期的に料理教室をされていますので、美味しいもの好きはこちらもチェックです!あのマッシュルームケーキ作ってみたい……!

そしていまごろ知ったのですが、外苑前と原宿にあるワールド・ブレックファスト・オールデイではリトアニアの朝ごはんを出しているんですね。ピンクスープや黒パンの揚げたスナックも食べられるみたいです。まだ間に合う!