2/10〜開催。トーキョーノーザンライツフェスティバル 2018 観たいのはこれだ!


今年もやってきました、北欧映画の一週間!日本未公開の作品も多数含む北欧映画の祭典、トーキョーノーザンライツフェスティバルがいよいよ2月10日からスタートします。会場は渋谷のユーロスペース。渋谷で北欧映画にどっぷりと浸れる一週間です。さて今年はどんな作品がやってくるのでしょうか?私的に気になる作品をピックアップしました。

グッド・ハート


トーキョーノーザンライツフェスティバルのサイトから、各作品の予告動画が観られるのですが、中でも心惹かれたのがこれです。監督は昨年日本でも公開し、観た人みんなをデブの虜にした傑作『好きにならずにいられない』を手掛けたアイスランドのダーグル・カウリ監督。淡々とした日常を、普通の毎日を、目を向けられない人々の姿を切り取るのが上手い監督です。今回の舞台はアイスランドではなく、ニューヨークなんですね。予告を観てふと思い出したのはポール・オースターの世界。物語が大きく動かなくても画面を見ていたくなるような、登場人物一人ひとりに思いを寄せたくなるような物語を今回も届けてくれるでしょうか。

ストロベリー・デイズ


スウェーデンのいちご農園へ出稼ぎにやってきたポーランド人少年が主人公。北欧の食文化を語る上でまず避けて通れないのがベリー。野菜のかわりとして、調味料のかわりとして、薬のかわりとして、北欧の暮らしに深く結びついたベリーは消費量も当然多い。だからずっと気になっていたのですよね、北欧ベリー市場での季節労働者の待遇や差別問題が(だって北欧の人たちはベリーの収穫時期は労働から解き放たれた夏休みの真っ最中ですからね)。まさか、どストライクなテーマの映画が観られるとは!綺麗事ではなく、差別や社会問題を真っ向から描くのは得意なスウェーデン映画界だけに期待大、なのです。

プラハ


2006年の作品、ということは12年前のマッツ様に会えるわけです。今回の役柄は妻とうまくいかない夫。結婚14年めで妻に浮気をされる夫!異国の地で妻との関係をなんとか修復しようともがく男!!ハードボイルドでもコメディでも殺人鬼でもゲス野郎でも変な髪型でもアディダスでも格好いいマッツ様が今作ではどんなマッツ様を見せてくれるのか、最高に楽しみです。今回は髪型は普通っぽいです。

トム・オブ・フィンランド


今回の私が選ぶノーザンにおけるメイン作品、フジロックでいったらグリーンステージのトリを務めるような一本がこれです。ハードゲイを描き続けたアーティスト、トム・オブ・フィンランドの作品は本国では近年、おしゃれインテリアブランドのテキスタイルになったり、切手にもなったほどで(しかもフィンランドで一番売れた切手となったらしい!)今や国民的アーティストといっていい存在ですが、元来保守的なフィンランドで彼がアーティストとしてどのようなスタートを切り、後に評価されるようになっていったのか、また人間としてどのような人生を歩んでいったのかは気になるところ(どう考えても壮絶)。来月発表される第90回アカデミー賞「外国語映画部門」のフィンランド代表にも選ばれた本作は、昨今のおしゃれで可愛い、ほっこりな面ばかりが強調されるフィンランドのひとつの素顔を知るという意味でも見逃せない一本でしょう。

画像はトーキョーノーザンライツフェスティバルのサイトより

ゾンビ&ザ・ゴースト・トレイン


トムがグリーンのメインなら、こちらはホワイトステージのトリといったところでしょうか。フィンランドが誇る才能、カウリスマキ兄弟のお兄ちゃんの方、ミカ・カウリスマキの監督作。カウリスマキ兄弟の作品で常連だった一度見ると後を引く名優マッティ・ペロンパーが出演しているのも楽しみ。ゾンビでゴーストでブラック・サバスが流れるなんて、これまた昨今のほっこりフィンランドとは違う、でもフィンランドを歩いたことがある人なら「ああ、うんうん」とうなずきたくなるシーンが観られるに違いない一本でしょう。
期間中は北欧関連イベントが開催される他、渋谷のカフェやレストランでコラボメニューが登場したりと気になる催しがいっぱいなので、トーキョーノーザンライツフェスティバルのサイトでぜひチェックを。会場となるユーロスペース1階に入っているLOFT9では北欧フードやビールが味わえ、さらに北欧雑貨や書籍、食材を販売するミニマーケットも開店(私の本も何冊か置かせてもらっています♪)。渋谷の街で北欧カルチャーを満喫できる一週間、スケジュールとにらめっこして、存分に楽しみましょう!