ブラタモリの撮影裏話

2018年1月20日放送のNHK総合『ブラタモリ』田園調布の回で、Shop Sticka と我が家が紹介されました。新聞のテレビ欄にも「美邸潜入」と!早速、番組サイトにある「タモリのブラブラ足跡マップ」にも出ていました。

番組では「田園調布はもともとは現在のような超高級住宅街ではなく、サラリーマン向けの住宅地として都市計画が始まった」と解説があり、その流れで「築83年、田園調布の分譲当時の面影を残す家」としてタモリさんと近江アナウンサー、案内人の方々が訪ねてきました。

実際にお会いしたタモリさんの印象はずばり「親戚のおじさんみたい」。芸能人っぽいギラギラした感じ(←先入観ですね)がまったくなくて、いきなり会って話せる雰囲気。素人とこういう距離感をとれるからブラタモリのような番組が成立するのだなーと思いました。お会いしてまず「住んでみてどうですか?」と聞かれ、その時期ちょうど床暖房が壊れていたこともあり、開口一番「寒いんですよね」と素で答えてしまったら、うはははと、あのタモリさんの笑い声が聞けました。

撮影時、ちょっとしたハプニングがあり我が家のリビングでタモリさんたちと少しの間、待機することに!その時に小さなダイニングスペースに座って「ここいいねえ!狭いところって落ち着くんだよね〜」と近江アナと満面の笑みでお話されていたのが、番組紹介や足跡マップの写真でも映っているこの写真です。

 ©NHK

他には私たちの入居前、この家はおそらくそのまま取り壊すつもりだったのか、前の店子さんが床や壁を大胆に抜いたり、柱に赤土を盛ったり、家の中にもレンガ敷きをしたりと、暮らすにはちょっと大変な状態だったので、できるだけ元の状態に戻していったんですよ、なんていう話をしていました。

帰り際に「でもなんか嬉しいよね、こういう家を残して住んでるっていうのは」と言ってもらったのは嬉しかったですね!それから天井にあるシーリングファンを指差して「あれは?」と聞かれたので「あれはハワイで…」と答えたら「ハワイかあ、うははは」とまたタモリ笑い。築83年の平屋で北欧雑貨の店で…と説明していたのに、「ハワイで安く見つけて〜」と最後はハワイ話でしめくくるというオチでした(笑。

お店では、じーっとこの辺りを見ていらしたので「そちらはロイヤルコペンハーゲンのビンテージで……」と答えるもののタモリさん、無反応。帰られてからハッと気づいたのですが、ああ違う!ロイコペじゃなくてこのレコードを見ていたんですよ、きっと!「ロイコペで御座います」じゃなくて「エロール・ガーナーで御座います」って、ご案内できなかったのが悔やまれます。コペンハーゲンのバザーで見つけたこのレコード、ヨーロッパ版なのでもしかしたらめずらしかったのかも??

放送翌日のSticka オープンデーはすごかったです!店の前にはひっきりなしに人が通りかかり、お店に立ち寄る方ももちろん多く、狭い店が時にぎゅぎゅうに。「タモリさん、どんな方でした?」とか「いつも通りかかっていたけど、こういうお店だったのね」など声をかけていただき、夕方まで客足は途絶えませんでした。いや〜こんなこと、田園調布ではめずらしいですから!面白かったのは、番組でほんの一瞬だけ映った我が家の廊下の絵、というかパリの地図を貼ったパネルが「父が持っていた物と同じ」と来られた方がいたこと。それは60年代のパリの地図で、我が家の物は私の母が若かりし頃、パリで手に入れた物。どうやら同じ時期にその方のお父様も購入した物らしく、残念ながらそちらは既に廃棄してしまったらしいのですが、テレビで見てどうしても気になって……といらしたのでした。

放送後、うちはどんな風に見えていたのだろうね?と気になっていたところ、北欧BOOKの優秀な工作員がツイッター上の我が家関連ツイートを拾い集め、まとめて見せてくれました。

「トトロの家みたい」「サツキとメイが住んでそう」これは、よく言われます。
「向田邦子っぽい」……!こ、これは嬉しい!!そう、向田邦子さんて作中の家も、ご自身のお住まいも素敵なんですよね〜〜。

ちなみに「雅子様が書道に通った」と番組で紹介されていましたが、私たちの前の前に住んでいた方が書道の先生でした。さらに遡ると、もともとは歯科医の方が購入した家で、ここで診察もしていたと聞いています。

それから「分譲当時の家!」と思われている方が多いのですが、この家は築83年、昭和9年に建てられたもので、田園調布での分譲が始まった時期が大正時代なので、正確には「分譲当時の”面影を残す”家」なんですね。それでも街の中心部ではこの家しかないのか、というのは放映時に私も知り、ちょっと驚きました。私が引っ越してきた当初はまだ少しですが昔のままの素敵なお家もあったのですが、壊されてしまったのですよね。

今回の放送でセレブの街としてのイメージばかりが強い田園調布が、じつは人が暮らしやすい工夫にあふれた街で、「散策してみたい」と思う方も増えたかな?と思うと嬉しいですね。豪邸見学もそれはそれで面白いのですが(番組でも超セレブな家が映ってましたが、アードレー家、ホワイトハウスとあだ名をつけてる家でした。他にも東京体育館とか鹿鳴館とか強烈な家、揃ってますよー)

そして我が家について「まだ残っていたのか!」「これは永久保存すべき」「大切に住んでるんだ」といったコメントの数々はなんというか、とても励みになりました。古い家、古いモノ好きとしてはもちろんできるだけ長く残したいとはつねづね思っているのですが、うん、これは本当に残すべき、受け継いでいくべき家なんだなと改めて思いました。

放送後、番組担当の方から視聴率も好調だったとお知らせがありました!田園調布の街並みや”シンゴジラ”の浅間神社、玉川園のあった公園は散策コースに本当におすすめなので、ぜひ実際に歩いてみてくださいね。そしてShop Sticka で、北欧の雑貨もぜひのぞきにいらしてください(営業時間が限られているのでぜひ事前にご確認を!)。

【追記】
ちなみにタモリさん御一行をご案内したリビングの天井が「昔の家の造りにしては高い」とコメントがあったのですが、この部屋は私たちが住む前に床と天井が抜かれていたので、梁に支障のない程度まで天井をあげ、床を一段下げてリフォームしました。この段差はフィンランドの建築家、アールトの自邸を見た時から「いいなあ」と思っていたアイデアでした。リフォームの話はまた改めて書きたいですね。

我が家については主婦の友社から出版されている『北欧のおもてなし』(ジュウ・ドゥ・ポゥム編集/森百合子著)でもご紹介しています。築83年、田園調布の庶民派の家にご興味ある方はぜひ手にとってみてください。

北欧のおもてなし
森 百合子 著
¥1,600 + 税(2015年9月16日発売)
出版:主婦の友社 編集:ジュウ・ドゥ・ポゥム