スウェーデン☓日本のJAMセッション「ホスピタルとデザイン展」へ

六本木アクシスのB1ギャラリーで開催されている『ホスピタルとデザイン展』へ行ってきました。病院など医療現場でアートを取り入れるホスピタルアートについては2年前にスウェーデン大使館で展示・ワークショップが開催され、スウェーデンで庭園療法を学ばれたアナグリウス・ケイ子さんのお話が強く印象に残っていました。

スウェーデンでは公共建築の新築・改築に際して予算の1%(病院の場合は2%)をアートに割り当てることが法律で決められています。今回の展示はセント・ヨーラン救急病院での導入例で、手がけたのは日本人のグラフィックデザイナー、赤羽美和さん。

病院のスタッフ達にパターンを描いてもらって、それを赤羽さんがコラージュして陶板やパターンシートなどのアートに仕上げるというもの。会場では参加したスタッフへのインタビューなども映されています。


病院スタッフがパターンを作る上で使ったシールやテープ。丸と三角と四角のベースとなるモチーフががあることで、描きなれていないスタッフ達も楽しんでパターンを作ることができたとか。


スタッフの方が作ったパターン。

それがこうなる!美しい〜〜。

ガラスのパターンシートは病院のパーテーションなどに使われているそう。派手さやうるささがなく、見た目に楽しくなりますね。

このホスピタルアートのプロジェクト名はJAM。ジャズの演奏に飛び入りで参加するジャムセッションに由来していて、病院スタッフを巻き込み対話しながら、即興性も楽しむ本プロジェクトにぴったりですね。病院スタッフのみなさんは自分が主体的に関わったことで院内のアート作品に自信をもち、患者との対話のきっかけになることもあるのだとか。病院で働く人々に、患者さんに受け継がれていくアート、素晴らしいですね!

気になっていたのは、今回の展示の主催者の中に葛西薫さんのお名前があったこと。ユナイテッドアローズやサントリーの広告で知られるグラフィックデザイナーの大御所です。聞くと、赤羽さんは葛西さんのところで広告デザインをされていたそうです。葛西さんの明るく軽やかで上品なグラフィックデザインが私はとても好きなのですが、どこか通じるところがあるなと思いました。今回の展示用のフライヤーも葛西さんによるデザインだそう。日本の病院でも赤羽さん、葛西さんのアート&デザインが見られるようになるといいのに!

ふと、ホスピタルアートとよく言うけれど(今回の展示でもアートの言葉がよく使われていました)今回はホスピタルと”デザイン”なのはなぜだろうな、と思っていました。会場には葛西さんのインタビューも展示されていたのですが、その中にあった「日本では病院でむやみに待たせたり……そういう部分からデザインしないといけない」といった趣旨の言葉を読んで、腑に落ちた気がしました。

ホスピタルとデザイン展は25日まで。間に合う方はぜひ!日本でももっと注目されてほしいホスピタルアート&デザイン。東京以外でも展示巡回できるといいですね。