フィンランドの教育NPO『Dare to Learn』の活動から学ぶワークショップへ

昨日はNTTドコモベンチャーズのイノベーション・ビレッジで開催された、フィンランドの教育を知るワークショップに参加してきました。タイトルには「フィンランドの教育NPO 『Dare to Learn』の活動から学ぶ〜」とあり、講師はDare to Learn アジア代表で、未来の先生展実行委員の小林秀行さん。Dare to Learnとはフィンランドで生まれたNPO組織で、学びの可能性を改めて考え直し、教育に携わる人々が孤立せずに連携できることを目的に活動しています。2017年のフィンランド独立100周年を記念して何か教育分野でできることを、と立ち上げられたそうです。

小林さんからはフィンランドの教育システムの歩みに始まり、何を目指しどこに力を入れているか、フィンランドの教育を理解する根本的な考え方や、今年視察された現地の様子などが紹介されました。ワタシ的ハイライトは「フィンランド教育のウソ、ホント」。フィンランドの学校を視察してきた小林さんが、「フィンランドの学校には宿題がない」「フィンランドの学校にはテストがない」など日本で派手に報道される内容と、実際に見て聞いたことのギャップについて淡々と解説されていくのが面白かったです(ちなみに両方ともホント、ではない)。またフィンランドが大規模な教育投資をした背景にはソ連崩壊、ノキアの不振があったという話も。危機的な局面であえて教育に力を入れているのが興味深く、今の日本にもそれこそが必要なんじゃないかと改めて思いました。

印象に残ったのは、フィンランドでは教師も起業したり副職をもつケースもあるという話。日本だとなかなか考えられないですよね。そういえばクドカンのドラマ『ゆとりですがなにか』で小学校教員の”やまじー”が、ビジネスの大変さに直面している”まーちん”に「おまえなんか社会に出たこともないくせに〜〜!!」と怒鳴られ、やまじーが「そんな風に思ってたのか……」と悲しそうにつぶやくシーンがありましたが、確かに日本で学校の先生というと純粋培養、社会を知らないというイメージが強い(学校だって社会の一部のはずなのに)。ビジネス経験のある先生って説得力がありそうだなと思う一方、日本でもそういうことをしたい学校の先生もいるだろうに、状況が許さない、でも周りには「先生は社会を知らない」と思い込まれてしまうとしたら……辛いですよね。

そしてもう一つ、フィンランドの教育改革というと第一に名前のあがるオッリペッカ・ヘイノネンについての話もあったのですが、オッリペッカが大臣になり教育改革にテコ入れをしたのが29歳の時と聞いてビックリ。そんなに若かったんですね……。でも29歳といえば子育てにもっとも意識を高める年齢ですし、北欧が教育や育児を取り巻く環境をドラスティックに変えてこれたのは大臣や議員が若いからというのも大きい。何が必要とされているか、不安か、リアルに具体的に自分の問題として考えられるからこそ、市民の声に答えられるんじゃないかと思うのです。

ワークショップは専門的すぎず堅苦しくない雰囲気で、4〜5人のグループでテーマについて話し合う時間もありました。冒頭、自己紹介も兼ねて「フィンランドといえば…思いつくことを3つあげてください」と質問があったのですがオーロラ、白夜、寒い、暗い……など、やはり自然現象をあげる方は多かった(←リサーチ姿勢に入っている)。どんなバックグラウンドの方がフィンランドの教育について興味を持つのかを聞くのも面白かったです(←またリサーチ姿勢に入っている)。こういう参加者同士の交流って面白いですね。今度、北欧ぷちとりっぷでもやろうかしら……。私のフィンランドは「サウナ、カウリスマキ、サルミアッキ」。改めてフィンランドらしいもの、せっかくなら他の北欧にはないもの、ということで選んでみました。

ちなみに小林さんがフィンランドに興味をもったきっかけは「かもめ食堂」と、マイケル・ムーアの映画でフィンランドの教育が取り上げられたことだとか。やはり「かもめ食堂」の影響力ってすごいですね!ちなみに小林さんは楽天の社員をしながら、こうした活動もされているとのこと。だからこそオープンな雰囲気でゴリゴリの教育関係者でなくても参加しやすい雰囲気になるのでしょうね。Dare to Learnの活動は、ぜひ今後もウォッチしていきたいと思います。

さてDare to Learnは9月5日・6日にヘルシンキで大きな教育カンファレンスを開催するとのこと。小林さんと一緒に行くツアーもあります(我らがフィンツアーさんが企画されていますよ!)。申込は8月3日までと迫っていますが、ご興味ある方はぜひお問合せを!

フィンツアーさんのページはこちら→DARE TO LEARN CONFERENCE フィンランドと日本の教育を考える8日間