ノルウェーから、トーリル・コーベの新作絵本『わたしの糸』

ノルウェー伝道師の我らが青木順子さん翻訳で、トーリル・コーヴェさんの新作絵本『わたしの糸』が発売されました。

前作『うちって やっぱり なんかへん?』がすごく好きなので、新作が出ると聞いてからとても楽しみにしていた一冊。もともとがアニメ作品というだけあって視覚的に引き込まれるのですがとくに冒頭、たくさんの糸から自分の赤い糸をみつけるシーンには子どもの頃の「たくさんの中から選ぶ」期待とかドキドキ感とかを思い出して、ぐっときてしまった(駄菓子屋さんでヒモ飴を選ぶの大好きでした😋)。

前作では「芸術家肌の両親が選んだオシャレな家や服(マリメッコとか!)はなんだか居心地が悪い。わたしはふつうがよかったのに」と、子ども心あるあるを見事に捉えていたけどトーリルさんて、ほんと子どもの気持ちをよく覚えている人だなあと思う。

本作では主人公は母になり、娘との関係が描かれていくのだけど母娘のあり方、結びつきにも驚かされる。とくに説明もなく、さらりと描いてしまうのがさすがノルウェーというべきか。色んな読み方ができると思うけれど、そうした母娘のあり方もまた「ふつうで当たり前」なんだよね、と強いメッセージをもらったようで自分の既成概念がぺろりとひと皮むけた気がしました。子育て中や母になった人は涙なしには読めなかったみたいです。大人にも子どもにも、母になった人にも、そうでない人にもおすすめ。

ちなみに写真上に写っているのはノルウェーのスタヴァンゲルフリントのビンテージカップ。ノルウェーというとフィヨルドや大自然のイメージが強いのですが、可愛い物も多いし、コーヒーもおいしいのですよ!青木さんには、この絵本の他にもノルウェーの面白くて可愛い絵本を折りに触れ教えてもらっています。もっと日本語訳が出ないかなー読みたいなー