三代目JSBのファンじゃなくても『雪の華』を見に行くべき7つの理由

いよいよ公開の『雪の華』。正直に申しますと私は主役の二人を知りませんでした。「エグザイルの人が主役らしい」と聞いて「そうかエグザイルの人なのか」と思い、試写に行って「エグザイルなんて、どこにも書いてないじゃないか」と驚いて人に言ったら「三代目JSBは、エグザイルファミリーなんですよ」と教えられるという、わかってなさぶりでした。しかし「テレビに出ている最近人気の俳優って、だいたいジャニーズかエグザイルでしょ?」くらいの適当な理解力の(いや理解してない)そんなあなたでも、ぜひ見てほしい『雪の華』。国民的人気グループのメンバーが主演!となるとファン以外の人は逆に「私はターゲットじゃないよね」と思ってしまいがちですよね。しかーし、三代目JSBを知らずとも!どこまでがエグザイルファミリーなのかわからなくとも!『雪の華』は見るべき!その7つの理由を綴りたいと思います。

①中条あやみさんのフィンランド好きこじらせぶりが良い
じつは私、中条あやみさんのこともこの映画で知ったのですが、上映開始5分でひきこまれました。めちゃくちゃ可愛い〜〜〜!のに、同年代の女の子の間ではなんか浮いてしまう、ちょっとオタク臭のする女の子。フィンランドが好きで好きでたまらない、そのこじらせぶりがリアル。言ってみればおとぎ話のようなストーリーにリアリティを与えているのは、美雪の存在なんですね。ヤクザ志願の青年が『仁義なき戦い』を見て菅原文太に弟子入りさせてくれと頼みにいった話がありますけど、フィンランド好き女子もまた美雪の熱いフィンランドへの思いと行動力に深く心を動かされてしまうのではないかと思うのです。

②夏のヘルシンキが美しすぎる
今回、試写ではフィンランド大使夫妻やフィンランドセンターの方々などフィンランド勢とご一緒したのですが、見終えてからロビーでみなさん口々に「私達の国って、あんなに美しいのね!」「夏のヘルシンキの美しさったら、ねえ!」「一年中、ああだったらいいのに、ねえ!」と盛り上がっておりました。夏の日差しに水面がキラキラと輝き、公園には緑が青々としげり、市場には露店がぎゅうぎゅうと並んでにぎわいを見せ、芝生には日光浴をする人々がいて、道ゆく人の足どりはどこかウキウキとして……。夏のヘルシンキを訪れたことのある人だったら胸をきゅーっとつかまれるような、あの美しい風景が映し出されていくのです。ああ、また行きたくなってしまうよ、夏のヘルシンキ。

③まわるスポットの選び方が渋い
念願のヘルシンキへ悠輔と一緒にやってきて、当然、美雪の主導で街をまわるのですが、その選択が渋いんです。『3日でまわる北欧 in ヘルシンキ』で言うならば、2日目の「フィンランドの日常をのぞく」とか「地元っ子のおすすめ」で出てきそうなルート。ややマニアックなヘルシンキの過ごし方、というのがまた美雪のキャラクターによく合ってるんですよね。一方で王道スポットも押さえている。ド定番の観光スポットも、こうして見るとやっぱりいいなあ、初めてヘルシンキへ行く方はこういう場所へ連れていってあげたいなあ……そんなヘルシンキの行くべきスポットがうまい具合に入っていて、旅したことがある方も、これから行ってみたい方にも響くヘルシンキの歩き方だなあと思いました。ワタシ的にインスタ映えナンバーワン!なスポットも出てきます。

④レヴィが舞台!
じつは一昨年の9月にリンネルさんの取材でレヴィへ行った際に、『雪の華』のプロデューサーとご一緒していました。撮影場所の候補としてレヴィがあがっていると聞いた時は興奮しましたね。私はこの街が大好きなんです。レヴィにはセンスのいいおみやげショップとか、最高においしいシナモンロールを焼くカフェがあって、今までに食べた中でいちばんおいしいトナカイもレヴィでいただきました。北極圏の街というとオーロラがメインになってしまって街の表情まではあまりわからなかったりするものですが、レヴィはいい。レヴィはいいぞー。この映画をきっかけにレヴィでオーロラを!という人が増えたらいいなあーと思います。

⑤脚本が良い
余命1年の可憐すぎる女子が、偶然知り合った硬派でイケメンの男性に恋して、契約で恋人になってもらって、死ぬまでに叶えたい夢「オーロラを観る」ために憧れの国フィンランドを旅する……って完全に少女漫画の世界です。うーん、私にはちょっと甘すぎ…と食わず嫌いしてしまいそうなストーリー。でも登坂広臣さんと中条あやみさん、主役二人の言葉や行動が自然で引き込まれてしまう。二人のやり取りにはくすっと笑ってしまうし、二人を囲む人々の事情にもうなずけてしまう。さすが岡田さん。良い脚本のドラマって見終えた後に登場人物やシーンが、ふと自分が実際に会った人や行った場所のように思い出されることがあります。『雪の華』を観終えた後もそんな感覚があって、あのカフェや美雪の部屋をどこかで本当に見たように頭をよぎることがありました。どこかパラレルワールドで、悠輔と美雪が手をつないで一緒にいたらいいなあ、と映画の二人を思い出してまた涙ぐんでしまうのでした。

⑥ハマケンが良い
そうです、本作には我らがハマケン、浜野謙太さんも出演しています!先に書いたように試写会ではフィンランドチームとご一緒していました。私の前方にちょうど大使夫妻やフィンランドセンター所長たちが座っていらしたので観察していたんですよ。「フィンランド人はこの映画にどう反応するのだろうか」と。そしてね、笑わない。フィンランド人、笑わない。そして笑った。試写室が最初に笑いに包まれたのは、そう!ハマケンの登場シーンでした。さすが日本の宝、ハマケンですよ。欲をいえば、もうちょっと見たかったな先輩。

⑦登坂さんがかっこいい
そらみたことか。三代目JSBって何?エグザイル?違うの?一緒なの?とか言ってたくせにこれですよ。何度も書きますが本作は甘い甘いラブストーリーです。下手したら見てる方が恥ずかしくなるような、そんな甘々な作品になってもおかしくないストーリー。その甘さ加減の鍵を握るのが登坂さんです。登坂さん演じる悠輔はぶっきらぼうで、でも心優しくて、家族思いで先輩思いで、目指してる夢があって、不器用で、ちょっと抜けてるとこもあって。女の子の夢を全部書きだしました、みたいなキャラクターです。それを生身の人間が演じて無理がないのかと。すごいよ登坂さん。悠輔が働くカフェで時折見せる、ちょっと抜けてる素振りがまたいいんだな。

他にも、美雪の部屋が可愛かったとか、田辺画伯がいい味を出してたとか、キラキラした画面にぴったりの葉加瀬太郎さんの音楽が素晴らしいとか、ハマケンのパンケーキ食べたいとか、悠輔よ、冬の北極圏に行くなら帽子をかぶりなさいとか、いろいろ書きたいことはあるのですが、それはさておき観終えて何より心に残るのはフィンランドを旅したような爽やかな後味。これはフィンランドチームも涙目になるってものです。フィンランド大使夫人はすぐに2回めもご覧になったそうで、試写でもリピーターが多かったそうです(すごい!)確かにこの作品、もう一度観て、フィンランドの街を二人と一緒にまわりたーい!という気にさせるのです。

ちなみにフィンランドのおじさんがフィンランド語で悠輔に話しかけるシーンでフィンランドチームからどっと笑いがおこったのですが、後で聞いたらおじさんの訛りっぷりが面白かったのだそうです。「東京であの地方訛りを聞けるとはねー!」とはメディアでもおなじみフィンランド大使館広報部のコッコ兄さんの言葉。たとえるなら岩手でロケしてるジャスティン・ビーバーにあまちゃんの大吉さんみたいなおじさんが「じぇじぇじぇー」とかって話しかけてる感じでしょうか(ちょっと違うかな…)。

そんなフィンランド愛がつまった『雪の華』の劇場用パンフレットで、「『雪の華』とまわるフィンランド」と題して、ヘルシンキやレヴィの撮影スポットについて解説しています。映画を見て、このパンフレットを見てフィンランドに行きたくなるような解説にしていますのでぜひ合わせてご覧ください!(こうして私のパソコンは悠輔と一発変換するようになりましたよ!はっはっは)

撮影に協力している北欧旅行専門のフィンツアーさんからは、『雪の華』ロケ地ツアーをはじめ、レヴィに行くツアーが多数企画されています。私も一つ関わっていて昨年のリンネル10月号でご紹介したスポットをまわるツアーです→【添乗員同行】憧れのガラスイグルーに泊まる 森百合子さんの巡ったフィンランド・レヴィの旅7日間

オーロラを見に北極圏を旅したくなった方はぜひチェックしてみてくださいね。
そしてヘルシンキを旅する折には、パンフレットと一緒にぜひこちらの本もおともにどうぞ。美雪と悠輔が訪れた場所も載っていますよー。


3日でまわる北欧 in ヘルシンキ 改訂版
森 百合子 著
¥1,600 + 税(2017年11月30日発売)
出版社 スペースシャワーネットワーク

今年はフィンランドと日本の外交樹立100周年にあたるアニバーサリーイヤー。フィンランド関連イベントが目白押しですが、その勢いをさらに加速させそうな『雪の華』。私は密かにこれは『かもめ食堂』以来のフィンランドフィーバーを巻き起こすのではないかと思っています。
2019年2月1日より全国公開!『雪の華』公式サイト