EUフィルムデーズ2021で上映中。フィンランド映画『AURORA』のストーリーと見どころを勝手に徹底解説

EUフィルムデーズ2021で上映されているフィンランド『AURORA』について徹底的に解説しようと思います。本作は2019年度のノルディックフィルム賞(北欧5カ国から代表作が選出され、最優秀作品を決める賞)のフィンランド代表作に選ばれ、日本でも2019年のフィンランド映画祭で上映されました。

かなりの傑作でぜひ多くの方に見てほしいのですが、今回はオンライン上映で英語字幕のみ、ということで、ストーリー&解説を詳しく書いていきたいと思います。英語がわからなくてもこれを読んだら楽しめる!はず!!

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舞台はフィンランド、北極圏の街ロヴァニエミ。ロヴァニエミは北極圏の首都とされる街で、近くにはサンタクロースビレッジもあったりと観光地としても人気の街。本作ではいわゆる観光スポットはそれほど登場しませんが、「難民(=他者)と向き合うフィンランド」がテーマだけあって、随所にフィンランドらしさが散りばめられています。また主人公オーロラをはじめ登場人物の家や職場、バー、夜中のバーガーショップと日常が見られるのも面白い。冒頭に出てくるオーロラの家は、売りに出されるところから話がスタートするのですが……。

主人公のオーロラは母を亡くし、父と二人暮らし。昔はおそらく遊んでたんだろうな〜と思わせる茶目っ気ある(しかし言うことをきかなそうな)お父さんとはお互い問題を抱えながらも仲良し。お金に困って家を売ることになり、不動産屋が査定にきてもまだ家を片付ける気のないお父さんはどうやらアルコール中毒らしく、結局施設(病院?)へ行くことになります。こうして家もなくし、父とも離れ、行く場所のなくなったオーロラは、友人キンキーの部屋へ転がり込むのですが、キンキーの彼氏が入り浸る部屋は居心地も微妙。ノルウェーで「大腸洗浄ビジネスで一発当てた」という知人の話を思い出し、自分もノルウェーで「家とか金とか、手に入れようかな!」と半分やけくそのようなことを言い出し、しかし結構本気でノルウェーに行っちゃえば何とかなると考えています。ノルウェーといえば北海油田で潤い、国民一人当たりのGDPも高く、北欧でも金持ちの国として見られています。実際、時給も高いことから夏休みにバイトをしに他の北欧諸国からやってくる若者も多いんですよ。

この親友役のキンキーがめちゃいい味を出しているのですが、オーナ・アイロラというフィンランドで注目される俳優の一人です。日本で一般公開もされた『オリ・マキの人生で最も幸せな日』で主人公オリ・マキが恋する女性を演じています。またフィンランド映画祭で上映された『ランド・オブ・ホープ』という作品でもヒロインを演じてます。ちなみにオリ・マキでは歌声も披露しちゃってます。

オリ・マキでは少女のような可憐な雰囲気で主人公と観客の心を奪ったオーナ・アイロラですが、本作ではケバケバメークのネイリストとしてオーロラと一緒に飲んだくれては二人揃ってゲップしたりと、いや〜痛快。でも無茶をしまくるオーロラの良きバディであり、オーロラが闇落ちしない最後の砦のような存在でもあります。そんな彼女に甘えるオーロラは、ノルウェーに行きたいあまりキンキーと彼氏の名前で勝手に飛行機を予約してしまいます。

バーの帰り道、オーロラがハイヒールで橋の上を颯爽と歩くシーンがあるのですが、あの橋はロヴァニエミのランドマーク、ヤトカンキュンッティラ橋です。木こりのロウソク橋というニックネームもある山型の装飾が美しい橋です(その昔、木こりが作ったトーチに形が似ているらしい)。しかしオーロラよ、ダメージジーンズで寒くないのか……と、つい思ってしまいますが、ロヴァニエミへ行った時に観光客はみなスキーウェアのような格好で歩いているのに、地元の若い子たちはスキニージーンズで闊歩していたのを思い出しました(北海道もそうですね)。すんごいハイヒールでも凍った雪道を早足で歩いちゃう。

さて物語の鍵を握るもう一人、イランからの難民青年ダリアンは娘のアザールとともに難民センターのようなところで夜を迎えています。まだ幼いアザールのために寝やすい場所はないですか?と尋ねるダリアン親子を捨て置けない職員のティーナは自分の家に連れ帰ることに。彼らを迎えるティーナの夫、ユハは体格のよい黒人男性。このユハというキャラもまた本作にいい味を添えていて、ダリアンが思わず「バスケ選手?」と口にしてしまうような、いわゆるフィンランド人らしくない、NBA選手的な見た目なのですが、それ故か誰よりもフィンランド人らしく振る舞おうとするキャラなのです(ユハというのも、とてもフィンランド人らしい名前)。バリバリ働くティーナを支え、料理も家事も育児もこなし、二人が出会った日のアニバーサリーまでも覚えているというロマンティストのユハ。妻が勝手に連れ帰ってきたダリアン達には怪訝な眼差しを向け、最初は受け入れることを拒否します(頭の固い保守派フィンランド男性的な描写かもしれない)。

オーロラとダリアンが最初にすれ違うのが、雪で埋もれた墓地。ロウソクがたくさん灯っているのが印象的なのですが、フィンランドではクリスマスの時期に墓地でキャンドルを灯すのが習わしなのだとか。われらがオーロラは、お母さんの墓に供える花を買うお金もなく、店から盗んできたツリーを供えるというハチャメチャっぷりです。

その後、オーロラが行きつけのバーガーショップで、小銭の足りなかったダリアンを救ったことから二人の交流が始まるのですが、歯にも心にも衣着せぬオーロラはイランとイラクを間違えたり、「肉、食っていいわけ?」などなど偏見(というか無知)丸出しで接します。でも裏表のないオーロラを見込んでか、自分の境遇を話し始めるダリアン。祖国には帰れない。この国に残るには僕が結婚するか、死ぬしかないんだ……と(親が死んだ子には自動的に居住権が認められることから)。ちなみにこのシーン、おそらく夜更けかと思われますが、フィンランドには夜遅くにオープンして早朝まで開いているスタイルのホットドッグスタンドがあります。だから飲んだ後の〆はラーメンじゃなくてソーセージだったりホットドッグだったりケバブだったりする。この店もおそらくそんなスタイルかと。

オーロラとダリアン達は地元のスーパーへ買い出しに行くのですが、オーロラがまず向かうのは酒売り場で、買っているのがロンケロという飲み物。ストライプのパッケージが可愛いロンケロとはロングドリンク、つまりカクテル(というかチューハイ)的なもの。もともとヘルシンキオリンピックの際に生まれた国民的ドリンクで、サイダーみたいなんですがれっきとしたアルコール。この後、施設に入っているお父さんも「いいからロンケロもってこーい」というシーンが出てきます。サウナでもよく飲まれていて、ロンケロといえばフィンランド。フィンランドといえばロンケロ。そんなドリンクです。日本でも成城石井やローソンで販売が始まったと数年前に話題になっていましたね。

ダリアンには手厳しいオーロラですが、娘のアザールには優しいオーロラ。アザールもオーロラにはすぐ懐いて、オーロラの長い金髪をなでながら「人魚姫みたい!」と嬉しそう。これ、昨今のディズニー映画でも人魚姫のスタンダード(金髪、白人)に問題提起がされていましたが、そんな昨今の状況を反映したセリフでしょう。

さてダリアンの結婚相手探しを手伝うことになったオーロラですが、いきなりレストランで居合わせた女性に話をつけにいったりと、相変わらずの行き当りばったり。で、ダリアンの相手にと選ばれる女性たちがまたかなり癖のある人物で「ムーミンマグを327個も持ってる」オタク感炸裂な女性だったり、トゥーリッキという名前の、生涯独身を貫こうとしていたお婆ちゃんだったり(トゥーリッキはムーミンに登場するのキャラクター名で、ムーミンの作者トーベ・ヤンソンの同性のパートナーがモデルといわれる)。地味〜にムーミンネタをいじってる感がじわじわきます。

やり方はめちゃくちゃながら「フィンランド女性と付き合う上で知っておくこと」と説くオーロラのセリフにはぐっときます。「その1。人として見ること。性的に見るな」オーロラがなぜそんなことを強く言うのか、もうひとつ合点のいかないダリアンに「だからペニスで見るなってこと!」と言い切るオーロラ、いいわあ〜。「その2、同意がないのに触ってはダメ!」これも当たり前のことだけれど、そうか男女平等が進んでいる女性が生きやすい社会とされるフィンランドでも、なお声を大にして言わなければいけないことなのですね。オーロラの心得、その10くらいまで語ってほしかったな。

このシーンと対応するかのようなティーナとユハの家のシーンも面白い。バリキャリなティーナを前に、ユハはダリアンに「俺の妻は医者だ。この国には女性の警官もいるし、裁判官もいるんだ!」と諭し(聞いてないのに)、食事を終えて当然のようにそのままテーブルを後にするティーナに「食べた後は皿を下げろー!」と叫び、家事を切り盛りする現代的な夫としての振る舞いを見せます。

さて物語が中盤へと差し掛かる頃、もう一人ナイスキャラが登場します。オーロラが寝泊まり込みでバイトすることになった金持ちの家のお婆ちゃんです。このお婆ちゃんがいい。そして家がすごい。お婆ちゃんは、やり手っぽい息子夫婦と同居しているようですが、息子夫婦がしばらく家を空けるというのでお婆ちゃんのケアをしてくれるオーロラを雇ったのでした。冗談が通じなさそうな息子夫妻に苦々しい顔をして中指を立てるお婆ちゃん、そしてエレベーター付きの螺旋階段で優雅に降りていく車椅子のパンクなお婆ちゃん、壁にはビルゲル・カイピアイネン(アラビア社で活躍したフィンランドの国民的アーティスト)のアートピース。60〜70年代スタイルと思われるお金かかってそうなモダンなインテリアがまたカッコいいんですわ……。

そしてお婆ちゃんの見せ場です。ダリアンの妻探しを手伝ってもらおうとオーロラはダリアンを連れてくるのですが、「あら〜サウジの王子?」「このフセイン君に伝えて」「で、ホセは…」「イランってアラビアのどこ?」とオーロラ顔負けの偏見ワードてんこ盛りで話しかける。でもダリアンの事情を聞いて「私もカレリア出身なのよ」とダリアンを励まそうとするお婆ちゃん。カレリア地方とはフィンランドとロシアの国境沿いにある地域で、フィンランド領になったり、ロシア領になったりと過酷な歴史をもつエリアなのです。「歌って笑って元気出せ!」が、お婆ちゃんのモットーなんですが、歌う歌がまたすごい。カレリア地方の名物であり、いまではフィンランドを代表する味となったカレリアパイの歌なんですけどね。「私のヴァギナはサンクトペテルブルクへ行った〜〜♪私の割れ目は〜〜〜♪♪」みたいな歌詞です。これ本当にある歌なんだろうか。カレリアパイって実際、ヴァギナパイと呼ばれることもあるようで……まあ形が独特なんですね。お婆ちゃん曰く「パイは、女性器よ」って。

で、フィンランド人にとって歌といえば酒。気分がのってきたお婆ちゃんはオーロラに「カレリアのバルサム持ってきて!」とお酒を持ってこさせます。バルサムというのは養命酒みたいなハーブをいっぱい使った蒸留酒で、結構アルコール度数が強い。こういう強い酒を飲む時は歌って飲むのが北欧流。で、ダリアンに「あんたも歌いなさーい」と強要し、拒んでいたダリアンですが観念して歌い出します。お婆のカレリア女性器ソングとはうってかわって心に沁みるメロディ、歌詞は「いつか統一の時まで…」。カレリア出身でおそらく辛い経験もたくさんしたであろうお婆ちゃんが、ここでしんみりするんですよね。若い世代でロヴァニエミ育ちのオーロラとは、受け止める温度が違うんです。フィンランドはソ連やスウェーデンと強国に挟まれ時に占領され、第二次大戦中にはソ連の侵略から身を守るためにナチスと手を組み、しかし後にソ連と停戦することでドイツと戦うはめになる(その結果ロヴァニエミの街は破壊されてしまいます)。一時期メディアで、逆境に立ち向かうフィンランド人の精神性を表すシスという言葉がよく取り上げられましたが、カレリア出身のお婆ちゃんの飄々とした姿にもシスの魂を見た気がしました。

さて後半はオーロラの暴走が激しくなっていく一方で、ダリアンとユハの友情も深まっていきます。プールやサウナ、寒中水泳とダリアンにザ・フィンランド体験をさせるユハ。プールではいきなり高台から飛び込みをさせたり、サウナシーンでは水着のまま入ろうとするダリアンに「全裸がルールだ!俺たちのサウナカルチャーを尊重しろ!」と声を荒げたり。でも先客の地元のおっちゃん達に「自由にさせてやれよ」とあっさり諭されたりと、クスクスの止まらないユハのフィンランドわくわくツアー。寒中水泳の時も頭だけは毛糸の帽子をかぶり、絶対に頭を水につけてはダメとか、フィンランド雑学も学べます。暖炉の火にあたりながら聞かせるフィンランドジョークも苦笑もので「冬戦争から戻った兵士がまず一番に愛する妻と何をしたと思う……?セックスさ。そしてそれからどうしたと思う…?セックスさ。そしてその後、スキー板をやっと脱いだんだよ」っていう、「ノルウェー人はスキーを履いて生まれてくる」の派生版みたいなジョーク。ああ苦笑。それにしてもユハとダリアン、二人とも幼い子どもを持つ親として、そして子育てに奮闘する父親として、気が合うのでしょうね。

オーロラに惹かれつつも、爆走する彼女についていけず「オーロラには光と影があるから……」と悩むダリアン。これ自然現象のオーロラのことでもあり、自分が光だと思ってやっとの思いでたどり着いたフィンランドにもかかる言葉ですよね。そしてユハ達に紹介された女性ウッラとデートを重ねていくのですが……このウッラがまた強烈なキャラクター。本作きってのヴィランといってもいいかもしれない。

このウッラという女性は他者の悲劇やナショナリティを善意で消費してしまう厄介な人物。イラン難民=トラウマに苦しんでるのね!助けてあげる!とネットで拾ってきたような怪しい情報を試そうとする。娘のアザールは英語で話せているのに、わざわざサインジェスチャーでコミュニケーションを取ろうとする。レメディやらイデアマターやら、次から次へと「それヤバいやつな」を取り出しては試そうとする。目の前の二人は置いてきぼりにして、善意の名のもとに弱者に手を差しのべている自分に酔いしれ、欲求を満たそうとするわけです。この辺りの描写が笑えつつもウゲーとなるのですが、こうした「自分は救世主」的な態度って、程度の差こそあれ誰しもハマりがちな問題でもあるんだよなあと思う。ちなみにこのウッラ、フェルト作家で(フェルトはフィンランドの代表的な手工芸)、ウッラとダリアンとの結婚が偽装ではないかインタビューする移民局の女性がウッラの作品をつけていたことからフェルト話で盛り上がっちゃったりする。で、「今度、日本にも送る予定なの!」って取り出した帽子が妖精さんか?っていうデザインだったりする。そういえば物語のはじめにお金のないオーロラにキンキーが「日本にパンティー送ってお金稼ぐって言ってなかった?」と聞くセリフがありまして、本作はイランやノルウェーが、難民や金持ちの象徴として描かれているわけですが、日本はなんか送って稼ぐ場所という位置づけなのだな、と。

ちなみにダリアンとウッラがデートをしているのが、フィンランド出身で北欧デザインの巨匠アルヴァ・アールトの設計したタウンホール内にあるレストラン。ウッラのいかにも意識たかそ〜、お金持ってそ〜な感じがここでも醸し出されているわけですが、アールトのデザインいいよねーって言ってるのは私も同じで、このシーンはドキッとしちゃいましたね。

このままおとなしく結婚すればウッラの両親が家も用意してくれる、と流されそうなダリアンですが、一方のオーロラといえば相変わらずのアル中まっしぐら。物語前半では笑いも交えつつ見ていたオーロラの飲みっぷりですが、後半になり、さすがにこれは……治療が必要では?というアルコール中毒のリアルが描かれていきます。これオーロラ本人は「全然平気、私はそんなんじゃない」って思ってるわけですが、映画を観てる方も最初はオーロラのきっぷの良さとか、ユーモアのあるところに惹かれてそこまで深刻さを感じない。それが段々とこれは引くよね…と、ダリアンの視線に重なっていくわけです。

お婆ちゃんの家で勝手にパーリーして家をめちゃくちゃにするわ、自分の体もボロボロに痛めつけてしまうオーロラはついに病院に運び込まれて、アル中百戦錬磨のような女医に問題を見抜かれ「ウッ……」となっちゃうわけですが、まだまだ認められない。ダリアンといい感じになりながらもお酒に手を伸ばしてしまうオーロラが、朝から酒を飲むのか?と問われて「これは酒じゃないし、まだ朝じゃない」とつぶやくセリフ。これ本作のピカいち名セリフではないでしょうか。酒じゃなくても自分が依存しているものを当てはめたら、誰の心にもぶっ刺ささる名セリフではないでしょうか。

ちなみに超小ネタですが、オーロラがバーで飲み明かすなか出会うドイツ人、ウルフギャング(オーロラはアマデウスって呼んじゃうw)はポルシェの試乗ドライバーで北極圏の街ムオニオに来てるという設定なのですが、北極圏って各自動車メーカーが性能を試験するための試乗コースがあるんですよね。で、オーロラが酔っ払ってアマデウスに「なんでラップランドを燃やしたの?」って聞くシーンがありますが、あれは前述したロヴァニエミの街がドイツ軍によって燃やされてしまったことを指します(それでアールトが都市計画の一部を担うことになるわけです)。

さてウッラの裏がバレて(今度は反体制運動をするアジア人にご執心)、ついに詰んだか?のダリアンはフィンランド以外のどこかへ行こうとします。そんなダリアンに「俺、離婚してお前と結婚してもいいぞ」というユハ。もう泣けるわ笑えるわ。同性婚、認められてますもんねー。ユハ、偽装結婚でフィンランドに留まろうとするダリアンに最初は「そんなこと許されないぞ!」って怒ってたんですけどね。いや、二人の友情は本物だもんね。「フィンランドには山がないね。ノルウェーにはあるのに。イランにもあるよ」と言われて「いや、俺たちにはマカロニキャセロール(家庭とか給食の定番メニュー)がある」と返すとこも最高です、ユハ。

そしてラスト「私ってハリケーンとか台風みたいな女なのかな?」と尋ねて、親友キンキーに「いや、あんたは火炎放射器級」と返されるオーロラはどこへ向かうのか。クリスマスにはプレゼント交換をするお父さんがいて(ゴミ袋とデオドラントだったけど)、寝る前にはずっとおでこをさすってくれていたお母さんがいて、怒りながらも見放さない親友がいるオーロラはついにお酒を断つ決断をします。専門家の力を借りて、依存から抜け出そうとする。勝手にとった飛行機チケットを利用して、オーロラの代わりにノルウェーへ行くことにしたキンキー達を空港で見送り(北欧の空港あるあるなんですが、照明やら椅子のデザインがいい。照明はおそらくフィンランドのSectoデザインのもの)、そしてお婆ちゃんの家での長いバケーション(ワーケーション?)が終わる時、オーロラはダリアンを追って探しにいきます。ロヴァニエミの街を焼いたドイツの車、ベンツに乗って……。

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2019年に見て、とても印象に残っていた本作。今回オンラインということもあり、改めてじっくり見直しました。公式資料があるわけでなく、またフィンランド語ベースの会話も多いので英語字幕だけでは捉えきれていない部分もあるかもしれませんが……登場人物にこめられた特性、会話の意味など、自分の備忘録として書いておきました。時折映るロヴァニエミの街並みや、ユハとティーナの暮らす部屋ほか、とにかくフィンランド好き、北欧好きにたまらん要素たっぷりで見どころの多い本作。いまのフィンランドを痛快に切り取っているところが何よりの魅力です。またどこかの機会で日本語字幕付きで上映されるといいなーと切に思います。

映画『AURORA』はEUフィルムデーズ2021でオンライン上映作品として6月25日まで視聴可能。(無料ですが、サイトより登録が必要になります)。作品情報などはこちら(英語です)。 →AURORA