6/18公開。この夏、誰もがデブに恋する!『好きにならずにいられない』


デブが恋する物語かと思ったら、デブに恋する物語でした。それも恋するのは私たち。フーシに胸きゅん、ああこんな男性がそばにいてくれたら……と思う女性が続出するのは間違いないでしょう。
2015年の北欧映画No.1に選ばれた話題のアイスランド映画『好きにならずにいられらない』。主人公フーシのスペックは、女性とつきあったことのない、デブで、オタクで、43歳。それって、2ちゃんねるから火がついた電車男の物語、もしくは映画『40歳の童貞』のようなストーリー?と思いきや……全然違った。確かにこの2作同様にオタクが愛に目覚めてがんばる映画ではあるのだけれども、『電車男』や『40歳の童貞』の場合は「あ〜いい人が見つかってよかったねえ〜」と観ていられた。オタクががんばるのを面白がって観ていられた。でも『好きにならずにいられない』の場合は違う。もし私がいま付き合っている人が中途半端な相手だとしたら、これはまずいぞって映画だった。「私もこんな風に愛されたい」って、「こんな風に愛せる相手に出会いたい!」って思ってしまうような、そんな映画だった。
ラジオ番組のDJとツーカーの仲で、いつもマニアなヘビメタをリクエストするのが楽しみなくせに、よりによってあの曲をリクエストする羽目になったり。
母親と一緒に暮らし、家事なんてこれまで一切やる気はなかったのに連日、器用に料理を作ったり。
しかもその料理をそっと扉の前に置いて、彼女を説得するでもなく、自分の気持ちを伝えるでもなく、ただただ見守っていたり。
気持ちがこんがらがって自分ではどうにもできない彼女を、ただ優しく抱きしめたり。
ただ必要なことをする。ただ耳を傾ける。ただ見守る。ただそこにいる。フーシはそれができる男なのだ。
「好きにならずにいられない」サブ1
階下に暮らす美少女がフーシにまとわりつくのもわかる。ませた女の子は、いい男がわかるから。彼女くらい可愛いくて幼いと、男性を見た目で判断する必要もない。フーシの献身的な姿にも胸きゅんでしたが、あの少女との交流シーンがとても良かった。孤独で異形の男と少女の関係。『ロスト・チルドレン』や『レオン』を思い出させる、永遠の定番ともいえる組み合わせ。世間に理解されない男と、大切なものが見える少女の交流。ああデブでオタクで童貞だからなんだっていうの。なんでこんなに切ないの。
「恋は見た目じゃない」なんて言うのは簡単だけれど、「人間はスペックじゃ測れない」なんて言うのは簡単だけれど。実際の世界では、そういうことを本当に気にしないでいるのは難しい。でも『好きにならずにいられない』は「やっぱり見た目じゃない」ってことを、「ていうかスペックってなんだ?」ということを改めて実感させてくれる映画なのだ。だって私たち観客はフーシのことを好きにならずにいられないもの。
「好きにならずにいられない」メイン
ダーグル・カウリ監督インタビューの中で「編集作業中、フーシの名前を逆再生させると、ある人物の名前に聞こえることに気づいた……」というエピソードがありました。ああ、なんという偶然!!!やっぱり世界はフーシを待っている!(監督インタビューはおそらく劇場パンフレットに載ると思うのでチェックしてみてくださいね!あの、十字架でおなじみの人物です。)
もうね、次の007に推薦したいですよ、グンナル・ヨンソンを。女性の心を鷲掴みだし、コッポラ監督が言うように、君なら世界も救える。わたしゃ本気でマッツ・ミケルセンとスカルスガルド兄弟とグンナルが並んでたら、どの胸に飛び込むか迷ってしまうよ。
人生で初めてデブにときめいた映画。こんなデブならもっと欲しい。フーシ、大好きだよ。
『好きにならずにいられない』公式サイト

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さてそんなフーシとアイスランドと北欧の魅力を伝えるべく、『好きにならずにいられない』公開記念イベント『北欧サマーパーティ@アイスランド大使館』が開催されます。なかなか行くチャンスのない大使館で北欧フィンガーフードを楽しみながらアイスランド&北欧カルチャーに触れる夜。果たしてフーシみたいな男性はアイスランドにはたくさんいるのか!?こんな形の恋愛は、北欧では普通なの?北欧男子たちに恋愛について語ってもらいます。ただいまお申し込み受付中。残席が少なくなってきているとのこと。お申し込みはどうぞお早めに!
『好きにならずにいられない』公開記念
北欧ぷちとりっぷコラボ企画 北欧サマーパーティ@アイスランド大使館

日時:6月10日(金)18:00~20:00
場所:アイスランド大使館 東京都港区高輪4-18-26
出演:矢田部吉彦さん(東京国際映画祭プログラミングディレクター)/細川典子さん(トーキョーノーザンライツフェスティバル運営スタッフ)/森百合子と北欧男子たち(アイスランドのラグナル君、フィンランドのヨウコ君、デンマークのイェンス君)
定員:40名
会費:3,000円(軽食つき)
応募方法:氏名、メールアドレス、当日連絡先となる電話番号を明記の上、
sukini(at)magichour.co.jp までメールでお申し込み下さい。
※(at)を@に変えて送信してください。

2件のフィードバック

  1. 2016年6月14日

    […] 『好きにならずにいられない』の映画レビューも書いているのでぜひ合わせてお楽しみください♪ […]

  2. 2021年4月21日

    […] from Instagram: http://ift.tt/1tiywIK 映画『好きにならずにいられない』公開記念イベントとして開催されたアイスランド大使館でのサマーパーティ。北欧ぷちとりっぷとのコラボ企画として「北欧男子トーク 番外編」をお届けしてきました。 今回のメンバーはアイスランド男子のラグナル、デンマーク男子のイェンス、そしてフィンランド男子のヨウコ。ぷちとりの時と同じく事前にツイッターで質問を募集していたのですがなかなか集まらないなあ……と思っていたら、なんとイベント主催の配給会社さん宛てに大量の質問が届いていたのでした!合計でなんと50問以上!!北欧男子トーク史上最多の質問が集まりました。 高輪にあるアイスランド大使館。国章には鳥、ドラゴン、雄牛、巨人と4つの守護者が描かれています。 早々にソールドアウトとなった今回のイベント。まずは映画の予告編を見ます。 お楽しみのフードは、赤坂見附にあるスウェーデン料理のレストラン『ストックホルム』からのケータリング料理。スモークサーモンやサーモンプディングなど北欧の味が並びます。 『ストックホルム』のミートボールは、すごーくおいしいんですよ〜〜❤ トーク第1部は東京国際映画祭プログラミングディレクターの矢田部さんと、トーキョーノーザンライツフェスティバルスタッフの細川さんによる北欧映画のお話。カンヌで話題になった、『ドライブ』のレヴン監督の新作からドグマ95の話まで、北欧映画好きにはたまらない固有名詞がポンポン出てくるディープなトークでした! 第2部はいよいよ北欧男子トーク。映画にあわせて恋愛事情に絡めた質問を主にピックアップ。「定番のデートコースは?」というベタな質問から始まり「北欧男子から見た、北欧女子と日本女子の違いは?」「北欧では子どもができても結婚しないままのカップルが多いって本当?」そして「見た目よりも中身を重視するって本当?」「男女平等の国から日本にやってきて思うことは?」と深い質問まで、時間の許す限り男子たちに聞いてみました。北欧区さんのサイトで、男子たちのコメントが詳しく紹介されていますのでぜひご覧ください。 とくに印象に残っているのが男女平等についての質問。ラグナルはお菓子作りが得意で以前ぷちとり打ち上げでもマフィンをたくさん作ってきてくれたんですが「僕がマフィンを作るっていうと『女子力が高い』って言われる。それはいいんだけどやっぱり違和感がある」との答え。確かに料理上手だったり可愛いものが好きな男性に「女子力高いね!」って言ってしまいますね、悪気なく。男女差別の意識なんてないつもりだったけれど、この一言にはハッとしました。 北欧諸国が男女平等の国というのはニュースなどで度々報じられていますが、例えば閣僚の女性の割合とか育児休暇の取得率といった数字のみで伝えられることが多いもの。ラグナルの言葉には「男女平等ってこういうことか」と説得力があり、日本とはまだまだ考え方の土壌が違う!と思い知らされました。いまちょうど公開しているマイケル・ムーア監督の『世界侵略のススメ』の中でもアイスランドは男女平等の国として取り上げられているので、どんな風に紹介されているのかぜひ見てみたいです。 「北欧の中でも恋愛に積極的だったり、シャイだったり違いはある?」という質問には「デンマーク人は恋愛に積極的だね。僕らは人と話したりコミュニケーションするのが好きだし」とイェンスが答えたかと思えば、「男女5,6人でみんなで食事にいったんだけど、誰もしゃべらないんだよね。フィンランドではそれ普通かも」とヨウコが発言したりと対照的。「映画の主人公のフーシみたいに尽くす男性が多いの?」という質問にはみんなイエスと答えつつ、「フーシのように尽くせる人は特別かも!」とラグナル。 最後の質問「北欧男子にはどこで出会えますか?」には、ビールを飲みながらイェンスが「お酒のあるところ。バーに最後まで残ってるのは北欧人だね」。ラグナルは「アイスランド人には会えません。僕もなかなか会えませんから」と、しっかり笑いをとってタイムアップ。冗談好きのイェンス、マイペースなヨウコ、そして要所要所でオッと思わせる発言をするラグナルのおかげで大いに盛り上がりました! anan総研のニュースでも北欧男子トークが取り上げられています!→北欧男子に学ぶ恋愛! アイスランド発の注目作『好きにならずにいられない』! 北欧男子トークには続きがありまして、イベント終了後の打ち上げで盛り上がったのが、ズボンのチャックが開いていることを日本では「社会の窓が開いている」と言うけれど、北欧ではどう表現するか?というお題。フィンランドでは「馬が出て行っちゃうよー」と言うんだそうです。それ、もしかしてエロい意味を含んでるの?と思わず聞いてしまいましたが「違う違う!昔は誰でも馬を飼ってたから、ただそれだけ」とヨウコ。日本人にとっての社会と同じく、大事な場所=馬のいる場所って感じでしょうか。そして大笑いしたのがデンマークで「チボリ・イズ・オープン」と言うらしい!デンマークではチャックが開いてる人に、そっと「お前のチボリ開いてるぞ」って言うそうです。いや〜デンマーク、やっぱり北欧の中でも能天気ナンバーワンだわ! 他にもアイスランドにはじつは、ほんのわずかだけど苗字がある人もいるとか(アイスランド人は通常苗字がなく親の名前に〜ソン(〜の息子)〜ドッティル(〜の娘)とつける)、アイスランド人は外国人の名前もアイスランド語にしちゃうんだとか(ラグナルのお父さんも「ポール」のアイスランド語名だそう)なかなか聞けない北欧与太話?に花が咲きました。 さて映画『好きにならずにいられない』は、いよいよ6月18日から公開です。人口33万人、”アイスランド人もめったに会えない”というアイスランド人の切なく熱いラブストーリー。首都レイキャビークの暮らしや風景ものぞける本作を、ぜひお見逃しなく! 『好きにならずにいられない』の映画レビューも書いているのでぜひ合わせてお楽しみください♪ […]