ありのままのアンデルセンに会う


今年はデンマークと日本の国交150周年記念ということで、デンマーク関連のイベントが目白押し。デンマークが生んだ童話作家、アンデルセンにも改めて注目が集まっています。世界中の子どもが知っている物語を生み出した稀代のストーリーテラーが、じつはかなりの変人だった……!人気作家マイケル・ブースによるアンデルセン評『ありのままのアンデルセン』も、ついに日本語版が発売されました。
マイケル・ブースといえば日本ではアニメ化された『英国一家、日本を食べる』で、一躍有名になりました。デンマーク人の妻と家族とコペンハーゲンに暮らすブース氏は北欧に関する書籍や執筆も多く、昨年発売された『限りなく完璧に近い人々』では北欧5ヶ国のお国柄や人間性について紹介しています。毒舌と批評精神たっぷりのブース氏の第一作目となるのが『ありのままのアンデルセン』です。
アンデルセンの変人っぷりは、研究者の間では有名なようですが、そこはさすがマイケル・ブース。丹念な取材により、彼がいかに、どのように変わっていたかを細やかに伝えていきます。そしてヘンな部分が見えてくるにつれ、アンデルセンという人物がなんだか身近に思えてくる。この本を読んでいると、人魚姫やマッチ売りの少女など、アンデルセンの童話を改めて読み返したくなってくるのです。