北欧旅行のベストシーズンは?

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北欧の観光ベストシーズンというと、一般的には夏です(オーロラは除く)。気候がよく、日が長く、初めて訪れる方にはやはり夏期はおすすめ。街中には北欧の夏の風物詩である新鮮なイチゴや青豆の屋台が並び、緑豊かな公園はひなたぼっこをする人たちがいっぱい。あてもなく街を歩くのにも最適の季節です。

ただ本当にいつまでも日が沈まないので、ホテルの部屋には遮光カーテンが必須だなと痛感しました。ヘルシンキからストックホルムへ、一晩かけて船で移動した時のこと。海が見える部屋を予約したらカーテンがない。最初こそ窓から見える海に盛り上がっていましたが、いつまでも明るくて眠れず、困った経験があります。ちなみに北欧はずっと寒いと思ってる方もいますが、夏は暑くなります。地域によっては30度を超すこともありますし、泳いだり、マリンスポーツを楽しむ人も多いです。


北欧ゆるとりっぷ』森百合子 著 出版:主婦の友社 

北欧で可愛い食器や雑貨を探したいという方も多いでしょう。ビンテージ食器を探すならフリーマーケットもおすすめですが、屋外のフリーマーケットは大抵4月〜10月頃までがシーズンです。またアルヴァ・アアルトの建築など、一部は夏期限定でオープンとなっているので建築見学がお目当ての方にも、やはり夏がおすすめです。

夏に旅をするデメリットをあげるとすれば、7月は北欧人にとって夏休みまっただ中なので、個人商店などは長期休みに入ってしまうこと。アンティークのお店やカフェなど、『来月◯日までいません』と貼り紙がしてあって、うなだれた経験が何度あったことか……。小さなお店周りがお目当ての方は、夏休み時期は外した方がいいかもしれませんし、街から人がいなくなり観光客が増えるので日常を見たい方は別の時期の方がいいかもしれません。

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10月も過ぎるとぐっと気温が下がっていきますが、寒い季節ならではのお楽しみもあります。北欧はやっぱり寒い国なので、寒い季節の食べ物がおいしいのです。煮込み料理やキャセロール、またクリスマス時期ならではの料理や雰囲気が楽しめるのは冬の醍醐味です。

11月〜12月にかけて街はクリスマスムードに包まれ、各地でクリスマスマーケットも楽しめます。ただし北欧では、クリスマスは北欧では家族で過ごす日なので12月24日〜26日までの3日間は、街からは人がいなくなり、お店も軒並みクローズしてしまうので、旅行者には大変です。クリスマス時期に滞在が重なってサバイバルしたレポートはこちら。クリスマスの他にも、6月の夏至祭や春先のイースターといった北欧における大イベント時期は、ショップやレストラン、中にはホテルまで閉まってしまうこともあるので要注意です。

北欧の冬なんて、どんなに寒いだろうかと最初は覚悟したものですが、建物の中が暖かく快適なので、街歩きをする分には思ったほど大変ではありません(日本の家の方が寒いよね、と北欧の友人は言ってました)。

個人的なおすすめの季節は5月、または9月。5月はまだ気温が低いですが日照時間がぐっと伸びます。9月もまだ日は長く、ギリギリ夏の気配が残っていて(日本と比べればずっと寒いですが)、蚤の市や建築見学も楽しめます。北欧人の夏休みは終わっているので、お店も通常営業。航空運賃も7〜8月のハイシーズンに比べれば安いものが出てきます。と、いいとこ取りができるかなと!

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2024年3月9日に発売となった新刊『探しものは北欧で』では、初めての旅から、2023年のコロナ禍後の最新旅行のことまで綴ったエッセイ本。おすすめの季節や服装、忘れられない味や店のこと、現地の友人たちとの交流なども書いています。


探しものは北欧で
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¥800 + 税(2024年3月9日頃発売)
出版社 大和書房(だいわ文庫)