ヨアキム・トリアー監督『センチメンタル・バリュー』zineと劇場パンフレットに寄稿しています

いよいよ今週末から公開となるノルウェーの映画『センチメンタル・バリュー』。カンヌ国際映画祭でのグランプリ獲得(19分ものスタンディングオベーションが起こったそうです!)を皮切りに、ヨーロッパ映画賞でも主要部門を総なめ、そしてゴールデングローブ賞では助演男優賞を獲得。3月に発表となる米国アカデミー賞では8部門9ノミネートの快挙を果たした超話題作です。

監督ヨアキム・トリアーの前作『わたしは、最悪。』は日本でも大ヒットし、映画ファンのみならず多くの観客の心を掴みました。前作につづいてレナーテ・レインスヴェを主役、さらにスウェーデンの名優でありハリウッドでも活躍するステラン・スカルスガルドが共演と聞いて、公開を待ち望んでいた一作でした。

映画配給のGAGAさんは、新たなレーベルNOROSHIを立ち上げ、ヨアキム・トリアー特集のzineも作るという気合いの入れようで、嬉しいことにzineへの寄稿にお声がけいただきました。zineでは、「ノルウェーと北欧と、トリアーと」と題して、ヨアキム・トリアーの母国であり、彼が舞台に選びつづけるノルウェーやオスロのことを絡めて本作の見どころを書きました。

zineへの寄稿にあたり昨年秋、内覧試写でひと足早く観せていただいたのですが、観終えて思わず担当の方に「本作の解説原稿もぜひ書かせてください!」と直談判してしまいました。というのは、背景にあるノルウェーや北欧の歴史、北欧映画あるあるルールなどを知っていると、本作をより深く味わえるだろうなあと思ったからです。めでたくパンフレットでも寄稿できることになり「気づかれないままでもいい、いくつかの大事なこと」と題した解説レビューを寄稿しました。

本作は親娘、家、そして映画についての物語ですが、ノルウェーの歴史や隣国スウェーデンとの関係も絡められています。もちろんそれを知らないままでもじゅうぶんにおもしろい作品なのですが、世界中でパワーによる理不尽な政治や侵略が起こっているいま、ノルウェーという世界的に見れば小さな国の事情を知ること、小さな声を拾うこと、物語を多面的に捉えることが大事なのではないかなという思いもこめて、書きました。

劇場でぜひ手にとっていただけたら嬉しいです!

『センチメンタル・バリュー』公式サイト