ノルウェーで大ヒット!アニメ『スペルマゲドン 精なる大冒険』日本でも公開中
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ここ数年、良作揃いのノルウェー映画ですが、これは応援しておかねばと思ったのがこちら、映画『スペルマゲドン 精なる大冒険』公式。アニメ作品で、物語の主役は精子、しかも精子が歌って踊るミュージカル仕立てという……北欧って攻めてる作品が多いけど、これまたすごいのが来ました。でも単なる下ネタアニメではなく、とてもよく考えられた性教育の作品なのでした。
タイトルを言うのがはばかられる……が、子どもの教育に関わる人、ティーンエイジャーのお子さんがいる人にはぜひ知ってほしい(できれば子どもたちに見てほしい)。
精子たちがワーワーやってる一方で、その持ち主であるティーンエイジャーのイェンス君と、ガールフレンドのリサの関係が深まっていき……と人間側の物語と内側の精子ワールドが交互に映し出され、こっちがこうなってると、そっちはそうなるのか……という展開、笑ってしまうが思春期の子には切実だよね。でも女の子たちにも事情がよくわかっていいのではないか。
主役の精子が賢くていいやつなので応援したくなるのですが(日本語吹き替え、有名な芸人さんとのことですが、とてもうまい)、しかしヤツが本懐を遂げるとリサが望まぬ妊娠をしてしまうため、これ一体どうなるんだよ……とハラハラ。コンドームをしても精子殺傷剤を使っても、それでも妊娠する危険はある!というのがよくわかるし、何より「ひとりで!悩まないで!!ぜったいに!ひとりで!悩まないで!!!わたしたちに!相談して!!」という制作側の大人からのメッセージが熱く、真摯でやさしくて感動しました。
精子のミュージカルなんて荒唐無稽と思わせながらもイェンスとリサが裸になるシーンでは胸や局部があらわにならないような配慮があるのもさすが(子ども達が観ることを想定してるんだろうな)。
果たしてここまであけすけな北欧ティーンエイジャーの性事情を、日本の同年代の子ども達に見せても大丈夫なのか、とは思う。でも望まない妊娠をした女の子が誰にも頼れずひとりで出産するしかなく育児放棄や最悪のケースになり、そのあげく母親だけが逮捕されてしまう、そんな国に暮らす者からすると、こういう物語を大人が子ども達にきちんと伝えようとしているのがとてもいいなと思うし、羨ましい。本作品が本国はじめ各国で大ヒットしたというのもいい。
思春期まっさかりのイェンス君が、不器用に見えて女性の立場への想像力があるのが、さすが北欧アニメだなと思いました(北欧の思春期キッズがみんなそうだとは思わないけど)。
個人的に気になったのは、性行為を意味するいろんな言い回しが次々飛び出す会話があって、日本語でもいろんな言い方がありますが、ノルウェー語にもいろいろあるのかー(吹き替えなのでわからないんですが)と意外でした。原語版をぜひとも翻訳者の方々に見て解説してほしい。




