Kippis or Skål?

左はアップル味。右はアルコール60度!
フィンランドの国民的なお酒ともいえるFINLANDIAは、タピオ・ウィルッカラがデザインした氷河のようなボトルデザインも有名。現在の新デザインにリニューアルされた時は、批判が多数出たとか。当時のおまけについていた同デザインのショットグラスをフリーマーケットで発見しました。
他にフィンランドで定番のハードリカーといえば、コスケンコルヴァ。レストランでもよく見かける通称「コッス」、日本語メニューではフィンランド「焼酎」と書かれていました。北欧らしくベリー味やサルミアッキフレーバーなどもあり、プラスティックボトルは携帯にも便利で、おみやげにもいいかもしれません。
こちらの蒸留酒はアニスやディル、キャラウェイなど北欧らしいハーブで香りづけしているのが特徴で、飲み口が比較的爽やか。フィンランドのレストランで食後に出てきた薬草酒、グリーンのボトルのJagermeisterは、56種類ものハーブが入ったドイツの薬草酒ですが、製造はコペンハーゲンなんですね。デンマークでは他にGammel Dansk というハーブリキュールもメジャーです。
アルコール度数の高いお酒は、フィンランドではAlko、スウェーデンではSystembolaget、ノルウェーではVinmonopolet という専売店でしか買えません。こうした販売店は街中にありますが営業時間が短いので要注意。最近は夜も開いている店もありますが、基本的に平日は5〜7時頃、土曜は2〜3時頃には閉店してしまいます。日曜祝日は休業なので、買い出しは計画的に!ちなみにデンマークは唯一、専売制ではなくお酒が買いやすい国。そのためスウェーデンから国境を越えて買いにくるお酒好きもいるのだとか。
こうした専売制や高い酒税はアルコール中毒対策だとのことですが、ハードルが高いからこそ買う時、そして飲む時のはじけぶりがすごいのです。フィンランドとスウェーデン、またデンマークとノルウェー間など国の間を走るフェリーでは船内が免税になるため、ただお酒を買うために乗る人も多いという話。下船時に大量のお酒をカートで運んでいる姿もよく見かけます。
スウェーデンでアクアヴィットを飲む時に欠かせないのが歌。スウェーデン人のクリスマスパーティに招かれた時のこと。ひと通り食事が進み、アクアヴィットが登場。全員に注ぎ終わるとみんなで何やら歌い出す。歌い終えるとみんなでイッキ飲み。そして飲み終えると、すかさずまた注ぐ。また同じ歌を歌う。飲む。注ぐ。歌う…それがとめどなく続くのです。一杯の量こそ多くないけれど、休みなく注いでは飲む。おそらくこの曲の長さは、急性アルコール中毒を防ぐためなのかもしれないと思いました。しかし一方でこの歌が飲む気、雰囲気を促進、助長しているような気も…。
スウェーデン人なら誰でも歌える(と思われる)イッキソング。ヘ〜ランゴー!これが歌えるようになったら、スウェーデンの飲み会で人気者になれるかも。
ちなみに「乾杯」は、フィンランド語でkippis スカンジナビアではSkålと言います。
(2012年4月25日更新)

おまけでついてきたというタピオデザインのショットグラス